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T・アリーザ、ホームと呼べるチームを探して

約1年2ヶ月前、トレバー・アリーザはキャリアを通してプレイするべき居場所を確保したと思ったかもしれない。だが、実際のところ、それは「ジャーニーマン」としてのスタートでもあった。

ロサンゼルス・レイカーズで優勝を経験した年のオフ、アリーザは5年契約でヒューストン・ロケッツへの移籍を決断した。しばらくロケッツの主力として活躍するかに思われたが、今オフ、4チーム間のトレードにより、ニューオーリンズ・ホーネッツに移籍。

総合力に優れるアリーザを獲得した代わりに、将来性抜群のPGダレン・コリソンを放出した背景には、チームの看板選手である、クリス・ポールの心を掴むためだったことが関係しているとみられている。

2012年のオフにはFAとなる権利を持っているポールは、今オフ、何度となく戦力補強をチームに求め、優勝するだけの姿勢をみせなければ、トレードを希望するという発言をしていた。

もしアリーザの加入が良い結果を生まなければ、コリソンを放出したことにより、チームは自らの手で首を絞めることになりかねない。
だが、今回の動きでポールの心を掴み、再契約までこぎつけることが出来れば、もしくは今後チームに必要な選手を集めることが出来れば、ホーネッツの未来は面白いことになるかもしれない。

ホーネッツは昨シーズン、過去3シーズンで初めてプレイオフ進出を逃した。プレイオフへの復帰、そして毎シーズン混戦となるウェスタン・カンファレンスで存在感を出すために、まずはアリーザの獲得を決断したのには、今後のチーム再建という目標があったからに他ならない。

GMのデル・デンプス氏は、「彼(アリーザ)には、単にチームの1ピースになってもらうために獲得したわけではない。今後チームが目指す方向の中心となることを期待している」と、大きな期待を寄せている。

今シーズンからチームの指揮を執るモンティ・ウィリアムスHCは、アリーザが昨シーズン1試合平均15得点を取るような役割を与えられ、それを忠実に実行した点を高く評価している。

2004年のドラフト2巡目でニューヨーク・ニックスから指名を受けたアリーザは、その翌年オーランド・マジックにトレードされ、2007年にレイカーズへと移籍し、優勝に貢献するまでの選手へと成長した。

まだ25歳のアリーザは、あと4年の契約を残しているため、しばらくはホーネッツでキャリアを送ることになる可能性が高い。

アリーザは、「自分のホームと呼べるようなチームの一員になりたいんだ。これまでも複数のチームでプレイしてきたけれど、しばらくはホーネッツの一員としてプレイしたい」と語っている。